2022年11月30日付朝日新聞デジタル

インフルの高熱で中1転落死 教諭の注意義務違反を認め、賠償命じる

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判決後、記者会見する北芝隆晴さんの母・嘉代子さん(左)=2022年11月30日、神戸市中央区、岩本修弥撮影

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亡くなった北芝隆晴さん(当時12)の遺影=2022年11月30日、神戸市中央区、岩本修弥撮影

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神戸地裁=神戸市中央区

兵庫県三木市の緑が丘中学校で2014年、1年生の北芝隆晴さん(当時12)が校舎4階から転落死した事故で、教諭が適切に対応していれば防げたとして、遺族が市に約8150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、神戸地裁であった。久保井恵子裁判長は、教諭による注意義務違反を認め、市に約2千万円の賠償を命じた。

判決によると、北芝さんは141月、体育の持久走後に具合が悪くなり、4階の教室に戻った後、窓から中庭に転落して死亡した。

判決は、インフルエンザによる高熱で意識障害となり、事故が起きたと認定。体育教諭は、授業後に北芝さんが座りこんでいるのに気づいていたほか、持久走の直後には汚れていなかった体操服が泥まみれになっており、北芝さんの異変に気づけたはずなのに、保健室まで連れて行き、養護教諭へ引き渡す注意義務を果たさなかったと判断した。

市教委は「今後の対応については顧問弁護士と相談し検討して参ります」とするコメントを出した。

判決後、母・嘉代子さん(50)は記者会見で「隆晴の命は救えなかったけど、判決で学校の責任が認められたことで、少しでも教育現場が変わって欲しい」と涙ながらに語った。(岩本修弥)

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