平成30年2月16日朝日新聞群馬版
ハンマー事故の第三者委員会初会合 事故現場視察
グラウンドのハンマーの投てき場所を視察する検証委員会のメンバーや学校関係者ら=県立藤岡中央高校
昨年12月、県立藤岡中央高校で陸上競技部員が投げた競技用ハンマーがサッカー部員にあたり、死亡した事故を受け、県教育委員会が設置した第三者検証委員会の初会合が15日、同校であった。5人の委員が現場を視察し、当時の陸上競技部やサッカー部の顧問から事故の発生状況などについて聴いた。
検証委は、陸上競技や法学、医学の専門家5人で、委員長には東京学芸大の渡辺正樹教授が選ばれた。会合の途中、検証委や学校関係者ら約20人は、グラウンドに出て、ハンマーの投てき場所を見て回り、投てき場所のネットを揺らすなどして設備の安全性などを調べた。薄暗くなった午後6時過ぎには、事故当時と同様に夜間用の照明をつけて、グラウンドの見え方なども確かめた。
会合終了後、内容について会見した県教委によると、両部は一つのグラウンドを分割して使っていたが、ある委員は、その状況について、特別な状況ではないとの見解を示した。ただ、安全確認について両部でルール化されたものはなかったという。
当時、ハンマーを投げた生徒は声を出して安全確認をしたが、聞き取りの結果では、サッカー部員は誰も声に気づいていなかった。過去にはハンマーがサッカーゴールにぶつかることも何度かあり、部員や顧問も知っていたが、校長ら管理職は知らなかったという。
検証委は今後も会合を開き、半年をめどに報告書をまとめる方針。(山崎輝史)