平成30年3月6日付京都新聞

中2飛び降り、長期的ないじめ原因 京都・舞鶴

京都舞鶴調査委

女子生徒が飛び降りた問題の報告書について説明する第三者専門部会の松浦部会長(中央)=舞鶴市北吸・市役所

京都府舞鶴市の市立中学校で昨年6月に2年の女子生徒が校舎から飛び降り重傷を負った問題で、調査委員会の第三者専門部会(部会長・松浦善満龍谷大教授)は5日、飛び降りは自殺未遂で、同級生らから長期的に受けた陰口や悪口などのいじめが原因の一つに当たるとの調査結果を発表した。

複数の教員が女子生徒が受けていた行為の一部を知っていたが、いじめと認識せず、学校が十分な対応を取っていなかったことも明らかにした。

専門部会がまとめた報告書によると、生徒は小学生の時から同級生から無視され孤立しがちだった。中学からは、陰口や悪口を繰り返し言われていた。

体育の授業で2人一組になる際に1人外されることが常態化していたり、掃除で机が運ばれなかったりなどの行為も受け、教員も目にすることがあった。

報告書は「加害者が固定せず次々と拡散していく状態が日常化していた」とも指摘。孤立状態で心の傷痕は大きくなり、自殺未遂に至った原因の一つになるとした。

担任の教員は女子生徒が「大丈夫」と答えたことから、いじめと認識せず教員間でも情報共有していなかった。さらに中学による定期的ないじめに関するアンケートで、同級生から女子生徒への行為が「いじめではないか」との記述などがあったが、対応していなかった。報告書は「生徒の心の叫びに気付くことができなかった大人の責任は大きい」と批判し、スクールソーシャルワーカーらを含めた校内の体制の見直しなどを提言した。

松浦部会長は記者会見で「いじめの見過ごしや相談相手がいなかったことが問題だ」と指摘。佐藤裕之教育長は「本人と保護者におわびしたい。指摘を検証し二度と繰り返さないよう方策を立てたい」と話した。

女子生徒は昨年6月19日朝、中学校の校舎3階の教室から飛び降り、腰の骨を折るなどした。現在は自宅で療養している。専門部会は昨年7月以降、女子生徒や同級生、教員ら37人に聞き取りなどをしてきた。

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