平成30年11月4日毎日新聞

他の深刻いじめ判明 学校対応せず

 いじめ対応せず

山梨県北杜市教委が女子生徒の家族側に開示した第三者委員会に関する資料。委員の名前は黒塗りになっていた=甲府市で2018年11月2日、野呂賢治撮影

山梨県北杜市で自殺を図った当時中学1年の女子生徒(14)がいじめ被害を訴えたにもかかわらず、学校側がいじめによる「重大事態」と判断しなかった問題で、別の学年の女子生徒も今夏、いじめに遭っていると訴えていた。学校に伝えたものの、当初は対応してもらえなかったという。【野呂賢治、井川諒太郎、金子昇太、滝川大貴】

別学年の女子生徒訴え

保護者によると、女子生徒は5月ごろから、殴られたり、私物を隠されたりしていた。8月、学校に提出した作文の中でいじめの存在を伝えたところ「先生に呼ばれ『びっくりした』って言われた。話を聞いてもらえなかった」と打ち明けた。

保護者は学校を休むように助言した。しかし「行く。他にもいじめられている子がいる。私がいかないとその子が一人になる」として登校を続けている。

保護者は女子生徒から「もしものことがあったら全部ノートに書いてあるから見て」と明かされ、ノートを確認。「誰か助けて」などの記載を見つけたという。

女子生徒から「他にいじめられている子」とされた生徒の保護者は取材に「2人は『大丈夫か』と声を掛け合いながら学校生活を送っていたようだ。(自殺を図った当時中学1年の女子生徒についても)『自分がいればつらい目には遭わせなかった』と言っていた」と話した。

校長は「報告は受けている。子どもに寄り添ってやっていきたい」としている。

緊急保護者会 批判相次ぐ

市教委と学校は2日夜、市内で緊急保護者会を開き、一連のいじめの経緯を説明した。

参加者によると、保護者からは「時間がかかりすぎている」「家族側の納得できる第三者委員会の人選で臨むべきだ」「現状では『大丈夫、心配なく学校に行け』と子どもたちに言えない」などと学校側の対応を批判する意見が相次いだという。

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