平成30年4月27日付毎日新聞宮城版

仙台・中2いじめ自殺 1年 進まぬ市教委調査 答申めど立たず いらだつ遺族

昨年4月、仙台市立折立中2年の男子生徒(当時13歳)がいじめによる自殺をして26日で1年を迎えた。原因を調査する市教委常設の「いじめ問題専門委員会」は関係者への聞き取りを進めるが、答申の時期もめどがたっておらず遺族はいらだちを見せている。

「会議のスパンが長いと感じる」「一周忌に子どもへ順調に協議がされていると報告できない」--男子生徒の遺族は25日、報道陣に寄せたコメントの中で、調査の遅れを指摘した。同委員会は、委員の選任などに時間がかかり、本格的調査が始まったのは自殺から半年以上経過した昨年12月。今年1月中旬には男子生徒が通っていた小中学校の教職員への聞き取りが始まったが、今月9日に行われた第5回委員会では、聞き取りを行った37人のうち10人に再度聞き取りを行うことが明らかになった。遺族はコメントの中で「市長や委員長の『スピード感を持って調査する』との言葉は何だったのか」と疑念を呈した。

一方、市は各部署と連携して対策を進めていく「いじめ対策推進室」を新設。いじめ対策についてはこれまで、教育行政の独立性を保障する観点から教委が中心となっていたが、同推進室には教員からの出向職員も所属している。木村賢治朗室長は「いじめ対策を総括する部署として、各現場の情報収集を行い教育現場との橋渡しをしたい」と話す。同推進室は郡和子市長が提言する「いじめ防止条例」の制定も検討しており、郡市長は「理念にとどまらない条例をなるべく早期に策定したい」としている。【早川夏穂】

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