2022年11月17日付熊本日日新聞

元担任の男性教諭、複数児童へ体罰など計42件 熊本市の中1自殺

男性教諭の体罰や暴言、不適切な行為などを説明する熊本市教育委員会の幹部ら=17日、熊本市中央区

2019年に自殺した熊本市立中1年の男子生徒を小学6年時に担任した男性教諭が市の第三者機関から複数児童への不適切指導を指摘された問題で、市体罰等審議会は17日までに、男性教諭の言動2件を「不適切な行為」と認定した。審議会が設置される前に市教委が認定した40件と合わせ、男性教諭の体罰や暴言、不適切な行為などは計42件となった。

市教委が、記者会見で説明した。42件はいずれも、男子生徒が在籍した小学校で1418年度に発生。男性教諭は現在は別の市立校に勤務しているが、市教委は「事態を重く受け止め、現場での勤務は当分の間させない」とした。17日午後には学校を離れ、今後は研修などを受けるという。

市教委は男性教諭の新たな体罰などの情報を集めており、必要な調査をした上で12月の審議会で議論。年内の処分を検討している。

男性教諭を巡っては、市教委が203月、不適切な言動の疑いがある157件のうち40件を体罰などに認定。審議会が残る117件のうち、第三者機関が指摘した2件を新たに不適切な行為とした。

大きな声を出すことが困難な児童に対し、大声を出すよう強く指導した行為などだった。

市教委は、認定した40件には自殺した生徒への行為も含まれると説明。男性教諭については、204月の審議会設置後も2件の相談があり、このうち現在の市立校で216月に起こした1件も不適切な行為に認定されていたことも明かした。授業中に児童の胸元を引っ張ったという。

生徒の自殺を巡っては、市の詳細調査委員会が10月、男性教諭の不適切な指導で抑うつ状態となった可能性が高く、自殺の一因になったとする報告書を公表した。(臼杵大介)

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