2022年12月3日付熊本日日新聞

処分遅すぎる体罰など受けた同級生が会見 熊本市中1自殺、元担任教諭が懲戒免職

男性教諭の懲戒免職処分を受けて記者会見する元児童2人=3日、熊本市中央区

2019年に自殺した熊本市立中1年の男子生徒を小学6年時に担任した男性教諭が42件に上る体罰などを理由に懲戒免職処分となったことを受け、生徒の同級生だった元児童2人が3日、熊本市で記者会見し、「処分は遅すぎる」と市教育委員会や学校の対応を批判した。再発防止策を講じる上で市長部局が主体的に関わることも求めた。

元児童2人は男性。いずれも男性教諭から体罰や暴言などを受けたという。会見には2人の両親らも同席した。

市教委が男性教諭を処分した時期について、元児童の1人は「対応が遅すぎる。やっているのは暴行で犯罪だ。被害を受けた人はもっといる」と憤った。PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した経験から、心のケアといった被害者対応も求めた。

体罰や暴言が問題化した時点で処分しなかった点について、別の元児童は「小さな怠惰が積み重なって対応が遅れたのではないか」と話した

。母親も「(男子生徒が自殺する前から)体罰を訴えてきたが、校長や教頭は何もしてくれず、市教委と市長も動かなかった」と不信感をあらわにした。

PTSDを発症した元児童は当時の学校や市教委の関係者の処分を求めたほか、遠藤洋路教育長の任命権者である大西一史市長の責任も指摘した。

元児童2人は再発防止策として、被害の訴えが学校や市教委を介さずに第三者へ届く仕組みや、教員の不適切な言動を防ぐための授業の録画を提案。「市全体でちゃんとした対策を取ってほしい」と訴えた。(中原功一朗)

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