2019年10月30日付西日本新聞

別児童に体罰・暴言20件 熊本・中1自殺 小6時担任調査へ

熊本市の中学1年の男子生徒が4月、自宅マンションから飛び降りて死亡した事案を巡り、市教育委員会は29日に記者会見し、生徒が小学6年時の担任教師による別の児童への体罰や暴言が20件あったことを明らかにした。生徒が飛び降りたことへ影響を与えなかったか担任からも事情を聴くという。遠藤洋路教育長は「亡くなった背景の調査や遺族への説明が不十分で深く反省している」と陳謝した。

生徒の遺族や他の保護者は3月、担任が複数の児童の胸ぐらをつかむ体罰や「役に立たない」などの暴言を繰り返したとして、調査を求める嘆願書を提出。市教委は、生徒が担任の言動を「ストレスと感じていた」と判断したものの、死亡直後は担任については調査しなかったという。

文部科学省の指針は、児童生徒が自死した場合、遺族への速やかな調査報告を定めているが、市教委総合支援課長は西日本新聞の取材に「存在を把握していなかった」と答えていた。

この日の記者会見で、市教委は「課長が出張中で詳細は分からない。他の職員は指針を認識した上で調査し、文科省に5月に報告書を送った」と釈明。遠藤教育長は「指針に沿って中学校の調査をしたが、小学校も要望があれば調べるべきだった」と述べた。 (壇知里)

 

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