平成29年8月4日朝日新聞東京本社版夕刊
取手・中3自殺、県に調査委設置へ 茨城

茨城県取手市で2015年11月、市立中学3年の中島菜保子さん(当時15)が自殺した問題で、橋本昌知事は4日、新たな調査委員会を知事のもとに設置することを決めた。文部科学省によると、いじめ防止対策推進法では調査委の設置は市町村の教育委員会とされており、県が対応するのは極めて異例という。
自殺をめぐっては、市教委が昨年3月に「いじめによる重大事態に該当しない」と議決して調査委を設置したため、両親が調査委の解散を要求。市教委は今年6月に調査委の解散を決定した。両親が市教委との信頼関係が失われていることを理由に、知事のもとに調査委を置くよう求めていた。
県が取手市から委託を受ける形で、条例を制定して対応する。橋本知事は「ご両親が1年9カ月苦しんだことを重く受け止めた。制度的には市教委と市が対応していくべきだが、できる限り申し入れに沿った形で対応していきたいと検討した」と話した。新たな調査委事務局は知事部局に置き、調査委の人選はいじめ防止対策推進法の趣旨を踏まえ、両親と協議するとした。記者会見した中島さんの父考宜(たかのぶ)さん(45)は「まずは第一歩。菜保子の身に何が起きていたのか、担任を含む学校関係者にも深く調査してほしい」と要望した。(佐藤清孝、箱谷真司)

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