平成30年4月26日付毎日新聞
大分市立中 教諭が首つかみ生徒失神 市教委公表せず
大分市の市立中学校の50代男性教諭が、男子生徒の首をつかんで転倒させ、生徒が一時失神していたことが、市教委への取材で分かった。市教委は学校から報告を受けながらも、記者会見では失神について明らかにしなかった。市教委は「隠す意図はなく、公開する内容ではないと判断した」としている。
市教委が22日に「行き過ぎた指導」として開いた会見によると、教諭は20日午後7時ごろ、昇降口の前で話をしていた男子生徒らに早く帰るよう複数回注意。従わなかったため、自転車にまたがっていた1人の首をつかんで転倒させ、けがをさせた。教諭は柔道の有段者だという。
市教委は会見で「生徒は転倒したが、すぐに立ち上がった」と説明した。しかし、同校校長が21日に提出した報告書には「首をつかんだ際、数秒間意識を失った」とあった。24日には教諭が市教委に「胸をたたいて目を覚まさせた」と説明したが、市教委は会見内容を修正しなかった。
市教委は取材に対し「被害生徒からは事情を聞けておらず、詳細は調査中だ。会見で不確実なことは公表しなかった」と強調する。
しかし、市教委の会見に基づくニュースを見た両親は市に抗議しており、市教委は「事実を明らかにして再度説明したい」としている。【尾形有菜】