平成30年11月20日付朝日新聞滋賀版

大津いじめ 遺族が法改正求め国会議員に要望

2011年に大津市でいじめを受けて自殺した市立中学2年の男子生徒(当時13)の父親(53)と越直美市長が19日、東京都内で元文部科学相の馳浩衆院議員と面会し、いじめ防止対策推進法の改正を要望した。

馳議員は同法改正をにらんで、超党派でつくる勉強会の座長。同法は大津のいじめ事件をきっかけに、13年に施行された。いじめを定義し、いじめの有無やその背景を調査する組織の設置などを学校や教育委員会に求めている。

男子生徒の父親はこの日、馳議員に「いまだにいじめで自死する子どもたちがいる。実効性のある法律に変えていち早く子どもたちに届けたい」と述べ、同法の改正を要望した。

また、父親は越市長とともに、子どもの自殺の背景などを中立で公正に調査できるようにすることや、いじめ防止のための専任教員「いじめ対策主任」の配置などを改正法に盛り込むよう求めた。馳議員は「要望をしっかりと受け止めて対応していきたい」と応じた。

この日は衆院議員会館で勉強会も開かれ、父親と越市長も参加した。意見を問われた父親は、調査委員会の委員や調査員を選ぶにあたって、「中立性が保てていない」と指摘。

現行法では教育委員会と利害関係のない第三者から専任する規定がないと訴えた。調査委は学校もしくは教育委員会に置かれているが、首長部局への設置も被害者側が選択できるように求めた。

さらに、大津市ではいじめ防止や対処を担う専任の「いじめ対策担当教員」を配置していることを挙げて、全国の学校にも「いじめ対策主任」を配置するよう要望。そのために国が財政措置を講じるよう求めた。

父親らは20日、文部科学省初等中等教育局長を訪れ、法改正を要望する予定。(石川友恵)

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