2016年10月28日 中国新聞社

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全国の国公私立の小中高、特別支援学校が2015年度に把握したいじめは22万4540件で、前年度から3万6468件増えて過去最多となったことが27日、文部科学省の問題行動調査で分かった。文科省は「件数増は、積極的な把握に努めた結果だと捉える方針が浸透したため」と分析している。年度間に30日以上欠席した不登校の小学生も1717人増の2万7581人と最多を更新。中学生は1395人増の9万8428人、高校生は3565入減の4万9591人たった。

いじめは、小学校が15万1190件(2万8456件増)で過去最多。中学校は5万9422件(6451件増)、高校は1万2654件(1250件増)だった。

内容は全体の63・5%を占めた「冷やかしや悪口」が最も多く、「パソコンや携帯電話でのひぼう・中傷など」は4・1%。現在の状況を見ると、88・6%でいじめは解消し、1・9%が解消に向けて取り組み中たった。

千人当たりのいじめ件数を都道府県別で見ると、最多が京都の90・6件、最少が佐賀の3・5件。前年度の30・5倍から縮小したが、依然26倍近い差があった。中国地方5県では、山口の17.2件が最多。島根13・〇件、鳥取8・7件、岡山6・8件と続き、広島の5・1件が最少たった。

児童生徒が心身に大きな被害を受けるなど、いじめ防止対策推進法で規定されている「重大事態」は298校で313件(136件減)。自殺した児童生徒で、いじめがあったのは9人たった。

国のいじめ防止対策協議会は、学校によっていじめや重大事態の把握、いじめ解消の解釈に依然隔たりがあるとして、改善を求める提言を24日に大筋でまとめている。

不登校の要因は家庭内の問題のほか、学校に関わるものでは友人関係、学業不振が多かった。不登校の日数別内訳も初めて調査項目に追加。小中学生の計12万6009人のうち、57・4%の7万2324人は欠席日数が90日以上、うち4402人は出席日数がO日たったことも判明した。長期の不登校が続く児童生徒への対応が改めて問われそうだ。

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