平成31年4月27日付毎日新聞
宝塚中2いじめ自殺、市が再調査へ 遺族要望、報告書「不十分」
兵庫県宝塚市で2016年12月、市立中学2年の女子生徒(当時14歳)がマンションから飛び降りて自殺した問題で、市は26日、自殺の経緯を再調査する方針を明らかにした。市教委の第三者委員会が作成した報告書について遺族から「調査が不十分」と批判があり、市が設置している別の有識者による委員会が調べ直す。
市教委の第三者委は昨年7月、仲間外れなど他生徒によるいじめを認定した報告書をまとめた。しかし、遺族から「いじめと自殺の因果関係が分かりにくい」と指摘され、同10月に「いじめ行為以外には自死と結びつく事柄は見当たらない」との表現を加え、改訂した報告書を作成した。
市教委によると、改訂版について遺族は今年2月、いじめ行為が具体的に特定されておらず、部活以外のクラスでのいじめの調査も不十分と訴え、市長部局による再調査を要望。市教委は「遺族とのコミュニケーションが不足し、信頼関係を築けていなかった」として、現在の第三者委による調査の継続を断念した。市は今後、常設している子供の権利擁護を担当する委員会に調査を委ねる方針を決めた。
中川智子市長は「ご遺族の気持ちをしっかり受け止め、納得してもらえる再調査をしたい」と話した。【土居和弘】