2022年11月22日富山新聞デジタル

富山北部中3女子自殺 遺族「いじめで不登校」 学校側「いじめと捉えず」

説明会に出席するため学校を訪れる保護者

説明会に出席するため学校を訪れる保護者

報道陣の取材に応じる桑嶌校長=富山市北部中

報道陣の取材に応じる桑嶌校長=富山市北部中

富山市北部中

富山市北部中

富山市北部中に通う3年の女子生徒(15)が19日に自殺していたことが21日、市教委への取材で分かった。関係者によると、遺族は生徒が学校でいじめを受けて昨年夏ごろから不登校になったとしている。一方、北部中や市教委は「人間関係のトラブルはあったが、いじめとは捉えていない」と主張。同校では21日夜、保護者向け説明会が開かれ、出席者からはいじめの有無について質問が集中したという。北部中によると、生徒は学校に複数回相談していたといい、市教委が経緯を調べている。

市教委によると、平成に入って以降、市内でいじめを理由に小中学生が自殺した事例はないとみられる。

北部中から市教委への報告では、生徒は1年以上前から不登校だった。不登校の理由については「人間関係のトラブル」としており、いじめに遭っているとは認定していなかった。

学校で定期的に実施しているいじめに関するアンケートや教諭との面談では、この生徒から不登校になるまで「いじめられている」との回答、相談はなかったという。

同校からの報告では、生徒が不登校となってから同校の教頭と生徒本人、保護者らが月2回、面談を続けていた。今月も1度面談していた。市教委は今後、面談での具体的な内容も確認する。

北部中の堀篤史教頭によると、学校は相談を受け、関係した生徒から聞き取りをするなど指導や支援を続けていた。堀教頭は「トラブルに関しては、本人の中で落ち着いていたととらえていた」と述べ、死亡との関連は調査中とした。

生徒の自殺を受け、同校では午後7時40分ごろから体育館で保護者向けの説明会が開催された。非公開で約1時間半で終了した。

出席者の一人によると、学校側は桑嶌一彦校長、堀教頭らが出席。学校側からの経緯説明後、出席者との質疑応答に移った。

学校側からは生徒が1年生の頃に同級生との間でトラブルが起き、不登校になったと説明があった。複数の出席者から「学校はなぜいじめではないと言い張るのか」などと質問が相次いだが、明確な理由は説明されなかった。「学校の責任があると、深く受け止めてほしい」などと厳しい意見が相次いだという。

説明会後、報道陣の取材に応じた桑嶌校長は生徒の問題は「いじめではない」との認識を示した上で、「保護者の方に十分納得してもらうことができず残念。再調査も検討している」と述べた。

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