平成28年5月15日 南海日日新聞

指導死「知れば防げる」

    遺族らが札幌でシンポ

指導死シンポ南海新聞

札幌市で開かれた「指導死」のシンポジウム=14日午後

教員の行き過ぎた指導をきっかけに子どもが自殺に追い込まれる「指導死」を知ってもらおうと、各地の遺族が札幌で14日、シンポジウムを開き、子どもを亡くした10人の親が「過去の事例を知れば防げる」「先生は、子どもに気づきを提供するような指導を」と再発防止に向けた思いを語った。

主催した「『指導死』親の会」代表世話人で2000年に長男を亡くした東京都の大貫隆志さん(59)は「1952年から2015年にかけ、指導死と考えられる自殺や自殺未遂は、表面化したものだけで83件ある。このうち平成に入ってから62件だ」と警告。

きっかけとなる事柄は大半が言葉による指導で、暴言やどう喝、冤罪型の決めつけ、指導中に1人にするなど10種に分類
できるとし「教育現場で子どもへの厳罰化が強まっているのではないか。子どもの尊厳を守るため、十分配慮して欲しい」と訴えた。
長崎市立中2年だった息子の雄大さん=当時(14)=を04年に亡くした福岡県宗像市の安達和美さん(54)は、広島県府中町の
中3男子が昨年12月、誤った万引き記録に基づいて進路指導を受けた後、自殺したことに触れ「子どもの犠牲が続いていることを残念に思う」と言葉を絞り出した

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