平成28年3月2日北海道新聞

札幌の高1自殺、母親が北海道を提訴 「顧問が一方的に叱責」

2013年3月に札幌市の道立高校1年の男子生徒=当時(16)=が自殺したのは、部活内でいじめられていたのに顧問の男性教諭から一方的に叱責されたのが原因として、生徒の母親が1日、道に約8400万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。

訴状によると、吹奏楽部に所属していた生徒は13年1月末、無料通信アプリLINE(ライン)で同学年の部員に悪口を言われてトラブルになったが、顧問は事情を知りながら生徒を一方的に叱責したという。

生徒は市営地下鉄の線路に立ち入り、列車にはねられて死亡した。訴状で原告は「顧問が自殺の前日にも、他の部員の言い分をうのみにして生徒を叱責し、退部に言及するなど精神的に追い詰めた」として、適切に事実関係を把握するなど安全配慮義務を怠ったと訴えている。

原告代理人の内田信也弁護士は1日に記者会見し、「亡くなった生徒への叱責は教員の地位を使ったパワーハラスメント。学校が自殺後に詳しい調査を怠り、情報提供を十分に行わなかったことも遺族を苦しめている」と述べた。母親は取材に対し「教師による言葉の暴力で、生徒が自殺に追い込まれる危険性があることを知ってほしい」と話した。

道教委の秋山雅行総務政策局長は「訴状が届いていないため、コメントは差し控えたい」としている。

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