札幌高1自殺訴訟控訴審が結審 判決は10月9日 札幌高裁
令和2年6月18日付北海道新聞
札幌市の道立高校1年の男子生徒=当時(16)=が2013年に自殺したのは、所属する吹奏楽部の顧問の男性教諭から叱責されたのが原因として、生徒の母親(53)が道に約8400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第4回口頭弁論が17日、札幌高裁(長谷川恭弘裁判長)であり、結審した。弁論で母親は「教員の暴言や心ない叱責を防ぐ判断を示してほしい」と訴えた。
判決は10月9日。
母親は意見陳述で、教職員の言動がきっかけとされる自殺がやまないとし「悲しみの中で人生を終える子どもを出したくない」と述べた。道側は改めて対応は適切だったと主張。長谷川裁判長は和解を勧告した。
昨年4月の一審札幌地裁判決によると、男子生徒は13年1月、他の部員とメールのやりとりでトラブルになり、当時の顧問から叱責された。同3月にも、別の部員に対する発言を顧問からとがめられ、部に残る条件として「部員に一切メールをしないこと」などを要求され、翌日に自殺した。
判決は自殺後の高校の対応が遺族を苦しめたとし、道に110万円の賠償を命じたが、顧問の言動と自殺の因果関係は認めず、母親が控訴した。(中秋良太)