2022年12月20日付朝日新聞デジタル

桜宮高で追悼集会、校長「風化させてはならぬ」 体罰事件から10年

写真・図版

大阪府立桜宮高校のアリーナ前に置かれている献花台=2022年12月20日午前11時6分、大阪市都島区、飯塚悟撮影

写真・図版

大阪府立桜宮高校の追悼集会で全校生徒の前で話す森口愛太郎校長=2022年12月20日午前11時58分、大阪市都島区、飯塚悟撮影

大阪市立(現・大阪府立)桜宮高校バスケットボール部の主将だった2年生の男子生徒が顧問から暴行を受け、自殺した事件から23日で10年となる。同市都島区の同校で20日、追悼集会があった。

 全校生徒や教職員ら約900人が出席した。事件を直接知る教員は異動や退職などで一人もいなくなった。

  • 「死を覚悟させる部活って…」 息子が残した手紙に両親が思うこと

 1分間の黙禱(もくとう)の後、森口愛太郎校長は「痛ましい事案を決して風化させてはいけないという、強い決意を確認する場としたいと思います」などと述べた。

 さらに生徒には「この事案を昔のこと、自分の知らないことと他人事にするのではなく、自分が選んで入ってきた桜高(さっこう)のこと、自分の母校でのことと、頭や心の中にとどめておいてください」と呼びかけた。

 男子生徒は元顧問の男性から繰り返し暴力や暴言を受け、2012年12月23日に自宅で自殺した。暴力が自殺の大きな要因になったとして元顧問は懲戒免職となり、13年9月に傷害と暴行の罪で懲役1年執行猶予3年の有罪判決を受けた。

 事件後、同校は体罰の根絶をめざし、「地域に開かれた学校」を掲げて地域住民を招いての学校行事を重ねてきた。昨秋からは市教委による部活動改革の実践研究に協力し、地元の中学生とスポーツ体験会で交流している。教職員も、怒りの感情を抑える「アンガーマネジメント」などの研修を毎年受けている。宮崎亮

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

Post Navigation