平成28年1月26日中日新聞

浜松の中2自殺 地裁浜松支部で和解成立

 ◆いじめ防止に重点

浜松市立中学校二年の片岡完太君=当時(13)=が二〇一二年に自殺したのは、いじめで追い詰められたためだったとして、両親が市と同級生ら十一人に計約六千四百万円の損害賠償を求めた訴訟は二十五日、静岡地裁浜松支部で和解が成立した。被告側による謝罪と遺憾の気持ちの表明、解決金計四百九十五万円の支払いなどが柱。地裁側が再発防止を重視した見解を示し、提訴から約二年半をへて法的に決着した。

訴訟では市や同級生側が請求棄却を求め、市側は学校対応と自殺との因果関係を否定。

法的責任をめぐり争ったまま、昨年三月から和解協議に移っていた。

原告側の塩沢忠和弁護士によると、古谷健二郎裁判長は和解条項の前文で「法的な因果関係を確定的に認めるものではない」とした上で、同級生らに「反省かつ謝罪し、いじめ行為の意味や影響を真摯に受け止め、哀悼の意を持ち続けることが強く期待される」、市側には「二度と不幸な事件が発生しないよう最大限の対策を模索すべきだ」と求めた。

いじめ自殺が続く一因として、加害者の「軽い気持ち」と、被害者が「死を選ぶほどの深刻な被害」を受けるという「認識の大きな隔たり」を挙げた。

会見で片岡君の父道雄さん(51)は「どんな結論でもすっきりはしない。法としては一つのけじめだが、被告側が今後どのように背負っていくのか、人として何をしていくかが大事」と複雑な心境を明かした。

市の花井和徳教育長も「心より哀悼の意を表し、このような痛ましいことを二度と起こさせないよう最善を尽くす」と会見で再発防止を誓った。同級生側の弁護士は「人の気持ちを理解し、命の大切さを理解する人として生きていきたい」などと同級生を代弁するコメントを発表。塩沢氏によると、この日の協議で、同級生ら十一人の保護者と一部の同級生は起立して頭を下げた。

訴状によると、学校や塾で悪口を言われたり、暴行されたりと、片岡君へのいじめは常態化。学校側は「いじめのサイン」がありながら、詳しい情報収集を一切しなかったとしている。

浜松中和解

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