2016年11月10日 中国新聞社

町の責任明示申し入れ
  遺族側町長「文書で回答する」

広島県府中町の府中緑ケ丘中3年男子生徒=当時(15)=が誤った万引記録に基づく進路指導後に自殺した問題で、生徒の遺族側の代理人弁護士が9日までに町としての責任を示すよう求める申し入れ書を佐藤信治町長宛てに送った。
申し入れ書は、昨年12月に生徒が自殺して以降、これまで町の責任に関する報告を遺族が受けていないと指摘。『遺族は何ら慰謝も受けず放置された状態』とし、いつどのような形で責任を果たすのか回答するよう求めている。
町教委が設置した第三者委員会は3日、進路指導に問題があったなどとする報代理人の武井直宏弁護士は「教育現場からは一定の報告を受けたが、改めて学校設置者である町の考えを知りたい」としている。
第三者委の報告書を基に町総合教育会議で再発防止の方針を決めた佐藤町長は9日に遺族を訪問。「行政トップとしての責任を痛感している。再発防止の取り組みを尽くすことを説明した」としている。申し入れ書には後日、文書で回答する。
町によると、学校側が自殺を公表した約3週間後の3月下旬に当時の和多利義之町長が遺族を弔問。任期満了前の約1ヵ月の給料を減額した。佐藤町長も6月の就任直後に弔問した。
(有岡英俊、田中伸武)

進路指導の現状
 全国調査を検討
    文科省特別チーム

広島県府中町の府中緑ケ丘中3年男子生徒が誤った万引記録に基づく進路指導後に自殺した問題で、町教委が設けた第三者奢貝会が報告書をまとめたのを受け、文部科学省の特別チームは9日、会合を開いて対一応を協議した。進路指導や高校への推薦制度の現状に関する全国調査の実施を検討する。
冒頭を除き非公開で、義家弘介副大臣たち6人が出席した。会合後、義家氏は報告書に関し「丁寧に検証されている。反省を生かしたい」と説明。「子どもたちの未来のための高校受験でないといけない。全国で生徒本位の進路指導ができているのか調べたい」と述べた。調査を実施するかどうかは都道府県教委の意見を聞くなどして決める。
特別チームは3月、再発防止策などについて中間報告をまとめた。会合は今回で終了する。

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