平成30年2月18日付河北新報
発言応酬で議事打ち切り いじめ再調査委員会、空中分解も
仙台市は17日、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ問題再調査委員会の第6回会合を市役所で開いた。弁護士の村松敦子委員長と、精神科医で遺族推薦委員の野田正彰氏の間で激しいやりとりがあり、村松氏が「このメンバーでの審議継続は難しい」と議事を打ち切った。
泉区の南中山中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月に自殺した事案の再調査中に、委員会は空中分解寸前となった。 野田氏は1月20日の第5回会合で、市教委の第三者委員会が南中山中の事案に関する答申書をまとめた経緯を説明するため出席していた大越裕光教育長に「あなたたちが(男子生徒を)殺したんだよ」と発言した。 17日の会合で、村松氏が野田氏に「いじめ防止を目的とする本委員会にふさわしくない。相手を困惑させ、威嚇し、侮辱する発言は自重してほしい」と注意すると、野田氏は反発。進行を遮り、「決めたことを実行せず、うそばかりついている」などと村松氏を批判した。 議事の打ち切りに、出席した他の4委員から賛否双方の意見が出たが、村松氏が職権で決定した。村松氏は「委員の選任、解任を含め、郡和子市長に判断してほしい」と述べた。委員の去就に発展すれば、再調査が大幅に遅れる可能性がある。 会議終了後、男子生徒の父親は野田氏の発言を「一般の人には暴言に聞こえても、遺族の気持ちを代弁してくれた」と話した。傍聴者の1人は「委員会は誰かを断罪する場所ではないのでは」と首をかしげた。