平成29年11月20日神戸新聞
神戸の中3自殺、第三者委がいじめ認定 遺族が追加調査要望
神戸中3いじめ
遺族の母親(手前中央)らから追加調査の申し入れ書を受け取る神戸市教委の職員=20日午前、神戸市役所
(撮影・風斗雅博)

 昨年10月に神戸市垂水区の市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、神戸市教育委員会設置の第三者委員会が、今年8月に調査報告書をまとめ、同学年の生徒によるいじめ行為を認定していたことが20日、分かった。
遺族代理人が明らかにした。代理人らは同日、「いじめの実態の解明が不十分」などとして、追加調査を第三者委に申し入れた。
 代理人の弁護士によると、調査報告書には「顔面凶器と呼ばれ、容姿を中傷された」「廊下を通りかかる際に足を引っかけられた」などの行為をいじめと認定しているという。一方、いじめを生んだ背景や生徒間の人間関係にはほとんど触れておらず、いじめと自殺の関連も明確には言及していないという。代理人は、「いじめの行為は、母親が情報提供した内容ばかり。『なぜ亡くならなければならなかったのか』という疑問に応えていない」と批判し、「いじめ防止対策推進法に基づく調査報告として不十分だ」と指摘している。
 代理人と女子生徒の母親によると、第三者委は、市教委が常設する付属機関の有識者ら7人で構成し、非公表のまま昨年
10月20日に発足。生徒や保護者、教員らにアンケートや聞き取り調査を実施し、今夏に報告書をまとめた。母親らは9月に追加調査を2度申し入れたが、その後、明確な回答はなかったという。
 市教委は「第三者委と遺族が公開範囲について合意していない」として、報告書を公表していない。
 この日、代理人の弁護士と母親が市教委を訪れ、職員に追加調査申し入れ書を手渡した。市教委は「内容を精査して対応
したい」としている。(井上 駿)

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