平成30年4月24日付神戸新聞

神戸・中3女子自殺 教頭の日報も提出せず

垂水中3女子7

学校側が自殺した女子生徒の友人から聞き取った内容を記したメモの写し。市教委が個人情報を伏せて公開した

2016年10月に起きた神戸市垂水区の女子生徒=当時(14)=の自殺に関し、「破棄された」とされていた他の生徒への聞き取りメモが見つかった問題で、当時の教頭が残した日報が調査を行った第三者委員会に提供されていなかったことが23日、市教育委員会への取材で分かった。日報には教員が生徒から聞き取った生徒間の関係なども記されていた。市教委は近く立ち上げる検証委員会で、日報が提出されなかった経緯についても調べる。

市教委によると、学校からメモが提出された今月12日以降、同様の資料類の有無を確認し、19日、ファイルを記録したCDが校内で見つかった。当時の教頭が定期的に日々の業務について記録したもので、作成日時は不明。女子生徒と他の生徒との間で起きたトラブルの経緯などが記録されているという。

学校から市教委を通じて第三者委に提供された資料にはなかった。市教委は、検証委を数日中にも発足させ、メモが第三者委に提出されず「破棄された」とされた問題とともに、経緯を調べる。

また、報告書で「破棄された」とされた聞き取りメモが見つかったことを受け、久元喜造神戸市長が23日、「報告書の信頼を損ないかねず、あってはならない。

経緯について、独立した外部の弁護士により速やかに調査を行う」などとする談話を出した。遺族が求める再調査について「近いうちに市としての考えを伝える」という。(井上 駿)

神戸中3自殺 神戸市長が遺族と面会へ 再調査説明か

2016年10月に神戸市垂水区の市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、同市の久元喜造市長は23日、遺族と面会する意向を明らかにした。遺族は、市教育委員会が設置した第三者委員会による調査報告書はずさんとして、市長に再調査を求めている。久元市長は再調査の可否について遺族に直接、考えを伝えるとみられる。

この問題を巡っては、第三者委が「破棄された」としていた他の生徒への聞き取りメモが、実際は存在していたことが22日に判明した。久元市長は23日、メモが見つかったことを受けて発表したコメントの中で、遺族と面会する意向を明らかにした。市によると、既に遺族側と日程を調整している。

久元市長は今月12日の定例会見で、再調査の可否の判断時期を「7月に入るまで」としていたが、遺族との面会時に直接説明する方向で検討しているという。

また遺族側は、22日に市教委が「メモを学校が保管していた」と発表したのを受け、これまでの対応を「隠蔽でしかない」と批判。「メモは破棄された」としてきた経緯について、市教委に質問状を出すという。(井上 駿)

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