平成30年7月12日 神戸新聞
神戸・中3自殺 いじめ再調査委16日発足
2016年10月、神戸市垂水区で市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、同級生らの聞き取りメモが隠蔽された問題で、神戸市は11日、いじめと自殺との関連などを調べる再調査委員会を16日に発足させると発表した。委員には、加古川市のいじめ自殺問題で第三者委員会委員長を務めた吉田圭吾・神戸大大学院教授(臨床心理士)ら5人を選定。初回会合では遺族も意見陳述し、年内の取りまとめを目指す。
再調査は、いじめ防止対策推進法に基づく。市こども家庭局が委員会を設け、吉田教授ら有識者2人、弁護士2人、精神科医1人の計5人で調べる。
神戸の自殺を巡っては、市教育委員会が遺族に非公表で第三者委を開催。第三者委は昨年8月、女子生徒へのいじめを認める報告書をまとめた。しかし遺族は自殺との関連の調査が不十分として今年4月、久元喜造市長に再調査を申し入れた。直後にメモの隠蔽が発覚し、久元市長は再調査を決定。市が遺族の意向を踏まえ人選を進めてきた。
久元市長は、11日の定例会見で「市教委の第三者委は必ずしも遺族の信頼が得られる形ではなかった」と指摘。「いじめへの対応を調べる中で、市教委や学校のあり方も問われるだろう」と述べた。(広畑千春)