平成30年7月19日付神戸新聞

神戸・中3自殺 生徒アンケに「いじめ」文言なし

神戸市垂水区で2016年10月、市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らの聞き取りメモが隠蔽された問題で、学校側が生徒に実施したアンケート調査の質問に「いじめ」という文言が入っていなかったことが18日、同市教育委員会などへの取材で分かった。遺族の代理人弁護士は「いじめの情報を把握しながら、それを前提としないアンケートで不十分」と指摘している。

アンケートは、同級生らへの聞き取りの約1週間後に文部科学省の指針に基づき、在校生に実施した。市教委は女子生徒がいじめを受けていた可能性を明示せず、女子生徒の様子を尋ねたという。一方、同時期に発足した加古川市の第三者委では、第三者委がアンケートを作成し、いじめの有無を明確に尋ねる内容になっていた。

神戸市教委によると、アンケートでは、いじめられていたことを示す回答が含まれていたが、代理人は質問の趣旨にいじめが明示されていれば、より具体的な情報が多く得られたなどとしている。

市教委は「アンケートは文科省の指針にのっとり、有識者にも意見を聞いて実施した。対応が適切だったかどうかは、市の再調査委員会の判断に委ねたい」としている。(井上 駿)

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