平成30年4月30日付神戸新聞
神戸中3自殺 破棄メモで第三者委が報告書の内容検証へ
「破棄された」としていたメモの発見を受け、開催された審議委員会=29日午後、神戸市役所
神戸市垂水区で2016年10月、市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、「破棄された」とされていた他の生徒への教員の聞き取りメモが見つかったことを受け、いじめの有無などを調べた第三者委員会が29日に急きょ開かれ、見つかったメモの内容が昨年8月にまとめた調査報告書に含まれているか検証することを決めた。
第三者委と同じ委員が務める市教育委員会の付属機関「市いじめ問題審議委員会」が事前にあり、第三者委としての開催を決めた。
第三者委は、女子生徒への容姿の中傷発言などをいじめ行為と認定する一方、いじめを自殺の直接要因とは認めない形で昨年8月に報告書をまとめ、今年2月に解散。報告書ではメモは「破棄された」と扱われ、これを見た学校が「保管している」と報告したが、市教委は放置していた。
第三者委は非公開で開催。添田晴雄委員長はメモの存在確認を受け、「誠に遺憾。メモが示唆する実態を第三者委が把握できていたかを慎重に検討する」などとするコメントを出した。
この問題を巡っては、市教委はメモが放置されていた経緯を調べ、市はいじめと自殺の関連などを再調査する方針を発表している。(井上 駿)