平成30年4月28日付朝日新聞鹿児島版

いじめ再調査の第三者委、人選遅れ 推薦辞退も

鹿児島市の県立高校1年の田中拓海さん(当時15)が2014年8月に自殺した問題で、県が進めている再調査のための第三者委員会の人選が遅れていることが、県への取材で分かった。県は日弁連など5団体に計6人の委員推薦を依頼していたが、1団体が辞退、1団体は期限の延長を申し出たという。

県によると、県は今月27日を期限に委員の推薦を各団体に2日に依頼していた。期限までに3団体から計4人の推薦を受けたが、日本児童青年精神医学会が、「推薦する態勢が整っていない」として4月中旬に推薦を辞退していたという。ほかの1団体は、推薦の期限を5月中旬まで延ばすように申し出たという。

辞退を受け、県は精神医学の分野に詳しい他の団体への推薦依頼に向けて調整している。再調査は委員の人選が決まってから開始されるといい、伊地知芳浩・学事法制課長は取材に「速やかに委員会を開けるよう準備していく」と話した。

田中さんの母親は取材に「推薦を依頼した時に確認していたのかと疑問に思う。調査が遅れることはとても負担になる」と語った。(野崎智也)

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