足立区の中3自殺、報告書全面開示、遺族に

2010年に足立区立中学3年の男子生徒がいじめで自殺した問題をめぐり、
区は21日、第三者調査委員会が昨年秋に公表した調査報告書を遺族に全面開示した。一部非開示だったため遺族側が不服として要望していた。
遺族側からは「当初から開示できていた内容ばかり」と開示の遅れを指摘する声もある。
近藤弥生区長が区長応接室で、黒塗りをすべてなくした調査報告書(A4判61ページ)を遺族に手渡した。
区や遺族の代理人によると、開示は遺族限定。昨年11月の公表時には、生徒が呼ばれていた「あだ名」などが非開示だった。遺族が「親であっても知ることができないことに違和感を覚える」と訴えていた。
区は個人情報の問題を理由にあげていたが、学識経験者や区民らでつくる区情報公開・個人情報保護審議会に諮問。審議会が昨年12月〜今年3月、非公開で3回議論し、多数決で全面開示を決定。答申を受けて区が判断した。
担当者は「遺族の知る権利を大事にした」と話す。
この日は報告書とともに、報告書の添付資料(5千ページ超)も初めて開示した。生徒や教員らへの聞き取り調査やアンケートの結果をまとめたものだが、生徒の氏名など個人が特定される部分は非開示という。
遺族は「思いに応えてくれて感謝する。今後は本人や遺族の気持ちをくみ上げた調査や情報提供が迅速になされることを願う」とのコメントを発表。
代理人は「当初から開示できた内容ばかり。全面開示は当然だ」と指摘した上で、「今後は客観的かつ公平な調査や情報開示を、教育委員会や区長ではなく学校現場で行ってほしい」と求めた。
平成26年4月22日 朝日新聞東京版(吉浜織恵)
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【コラム】
各地でアンケート開示をめぐる裁判が行われる中で、足立区情報公開・個人情報保護審議会は遺族の思いに寄り添った開示決定である
添付資料が無ければ調査報告書の事実根拠が明らかにならない
「星になった少年」のご両親も事実根拠の不明な調査報告書を受け取り、調査委員会の生徒・保護者・教員アンケート及び委員会議事録、レジメの開示請求を行っている。
開示請求に対する教育委員会の対応は、「調査委員会の求めに応じ引き渡したため不存在」[/と開示請求者である母へ通知を行っている。
委員会議事録、レジメ、アンケートの様式は調査の実施機関である教育委員会の公文書として維持管理が行われているが、調査委員会の生徒・保護者・教員アンケート及び聴取の記録は元調査委員長ある広島大学の教授が個人で維持管理している。ありえない行為だ、この事実解明に必要な情報が隠蔽され、漏洩、改ざん、紛失などの脅威にさらされている。東広島市教育委員会には調査を委託した責任をどう考えているのか。もっと、ご遺族に配慮した対応を願う。

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