【1月14日付朝日新聞】

沖縄県豊見城市で昨年10月、小学4年の男児(当時9)が自殺した問題で、両親が朝日新聞の取材に応じた。両親には6月ごろから、日常的ないじめを訴えていたというが、市教育委員会は「いじめは1回だけだった」とし、自殺との関係を否定。母親は「真実を知りたい」と語る。

息子は気持ちのやさしい子で、友達もたくさんいました。
でも、4年生の6月ごろから、「廊下でいきなり蹴られた」「トイレに閉じ込められた」と言うようになりました。私はその都度、先生にきちんと言いなさいよ、と言いましたが、息子は「言っている」と。
でも、夏休みに入るころには「言ってもしょうがない」に変わりました。
秋休み初日の10月10日、様子がおかしいことに気づきました。昼間は普段通りでしたが、その日の夜、息子は突然泣き出したんです。終業式の日に教室で友人に「かっこつけるな」と服を引っ張って倒されたって。こんなことは初めてでした。
11日も、私が運転する車で泣き出しました。「なんで僕は、いじめられなければならないの」と。
単身赴任中の夫に連絡し学校に相談することにしました。息子には、「つらいなら転校してもいいよ」と言ったんです。
でも、12日夜、息子は自分の部屋のベッドの手すりにベルトをかけて首をつってしまいました。
午後10時ごろ、飼い犬を家に入れようと庭に出た、ほんの5分間の出来事でした。
病院に運ばれ、心肺蘇生した時は、とにかく生きてほしいと願いました。でも息子は、戻ってきてくれませんでした。
入院中の10月15日、校長先生が病院に来て、9月のアンケート用紙を見せてくれました。
無記名ですが、息子の文字。精いっぱいの、「助けて」というメッセージだったんだと思います。
守ってあげられなかった。ごめんね。真実もわからず、ただ苦しい気持ちしかありません。

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