平成28年1月26日 朝日新聞
都立高1自殺、遺族「全容解明を」 有識者調査部会発足
東京都教育委員会が25日、いじめ問題対策委員会を開き、昨年9月に自殺した都立高校1年の男子生徒(当時16)に対するいじめの有無を調べる調査部会を発足した。生徒の母親は都庁で記者会見し、全容の解明を求めた。
生徒はJR大月駅(山梨県)で特急列車にはねられて亡くなった。母親は会見で、生徒の携帯電話に残されたSNSのやりとりなどに「いじめが疑われる記載があった」と説明。「将来の夢をしっかりと決めていた子が、なぜ死ななければならなかったのか。学校で何があったのか教えてほしい」と話した。
母親によると、生徒が通っていた高校は昨年11月に全校生徒約1千人を対象にアンケートを実施。
生徒について「クラスで浮いていた」「いじられキャラのような感じがあった」といった回答が寄せられたという。校長は朝日新聞の取材に対し、「遺族の意思を尊重して調べたが、いじめなどのトラブルは見当たらなかった」と語った。調査部会には全面的に協力する意向を示した。
調査部会は、対策委のメンバー4人に加え、生徒の母親の意向を踏まえて選ばれた弁護士ら4人の計8人で構成。今後、生徒や教員の聞き取りをする。(伊藤あずさ、貞国聖子)