2020年4月21日付朝日新聞

長崎)いじめ自殺遺族に死亡見舞金 独立行政法人

写真・図版

記者会見で話す母親=2020年4月20日午後1時45分、長崎市尾上町の県庁、横山輝撮影

  長崎市の私立・海星高校の男子生徒(当時16)が自殺し、「いじめが主な原因」とした第三者委員会の報告書を学校側が受け入れていない問題で、独立行政法人日本スポーツ振興センター(東京)が遺族に対し、死亡見舞金の給付を決めたことがわかった。決定は3月27日付。 男子生徒は2017年4月、市内の公園で自殺。学校側が設置した第三者委は自殺といじめの因果関係を認める報告書を18年11月にまとめたが、学校側は「論理的飛躍がある」として受け入れを拒んでいる。

 同センターは災害共済給付制度に基づき、学校の管理下で発生した事件に起因する死亡に対し、死亡見舞金を支給している。

 同センターの通知書によると、学校が提出した災害報告書では死亡の原因は「不明」とされていたが、第三者委が報告書でいじめと自殺の因果関係を認めたことを重視。いじめで「強い心理的

負担が生じていたものと推定できる」として、支給を決定した。

 男子生徒の両親は、自殺から3年となった20日、長崎県庁(長崎市尾上町)で記者会見。代理人弁護士は「学校の見解と第三者委の調査結果が食い違うという極めてまれなケース」と説明。

父親(52)は「報告書が重んじられたことについては息子も報われたと思う。ただ、ゴールは学校側が報告書を認めることだ」と話した。

 学校側の代理人弁護士は取材に「現段階ではノーコメント」としている。(横山輝)

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