平成30年6月8日付神戸新聞

開示求める遺族に別文書の存在伝えず 神戸・中3自殺

神戸市垂水区の市立中学3年の女子生徒が自殺し、同級生らの聞き取りメモが隠蔽された問題で、市教育委員会がメモの内容を含む事案の概要をまとめた文書を作成しながら、遺族に存在を伝えていなかったことが分かった。遺族の情報開示請求に対し、市教委は「対象外」として開示しなかった。近く遺族に提供する。(井上 駿)

市教委などによると、文書は「自死事案概要」。自殺した2016年10月6日から1週間の学校の対応を時系列でまとめており、同11日の同級生らへの聞き取り内容も含まれている。

いじめと自殺との関連を調べるため、市教委が同20日に設置した第三者委員会には、基礎資料として提供していた。

遺族は17年1月、学校が市教委に提出した報告書について情報開示請求。2種類の報告書の開示を受けた。しかし、この文書については「市教委が作成した」として開示されなかったという。

市教委は今月3日、メモ隠蔽問題を調べた弁護士調査の結果を遺族に伝える際、この文書について初めて伝えた。長田淳教育長は「遺族に請求の真意を聞き、こうした文書があるということを伝えるべきだった」と話した。

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