2021年2月6日付西日本新聞

高3いじめ自殺、私立校側が控訴「上級審の判断仰ぐ」

福岡県内の私立高3年だった山口勲大(いさむ)さん=当時(18)=が2013年に自殺したのは学校側が同級生のいじめへの対応を怠ったためだとし、遺族が高校を経営する学校法人に損害賠償と謝罪文の校内掲示を求めた訴訟で、学校側は控訴期限の5日、約2643万円の支払いを命じた福岡地裁判決を不服として控訴したことを明らかにした。4日付。学校側の控訴を受け、遺族も付帯控訴する方針。

  1月22日の地裁判決は、いじめと自殺の因果関係を認めた上で「適切に対応していれば自殺を防ぐことは可能だった」と学校側の責任を認定。謝罪文は「社会的名誉が毀損(きそん)されたとは言えない」として退けた。

学校側の弁護士は控訴理由について「判決は重く受け止めているが、普遍的な判断かどうか上級審の判断を仰ぐ必要がある」と説明。山口さんの父親(67)は「受け入れてもらえず残念。控訴審で心からの謝罪を求めたい」とコメントした。 (森亮輔)

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