【9月26日付 河北新報】
献花台が置いてあった場所を調べる仙台市の区役所職員と地域住民=25日午前9時30分ごろ、仙台市内

自殺した男子生徒が通っていた中学校近くの公園に置かれた献花台=21日午後5時ごろ

昨年9月下旬にいじめを苦に自殺した仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=を追悼しようと、学校近くの公園に設置された献花台が25日朝までに撤去されていたことが分かった。献花台は21日朝までに誰かが設置した。連日、大勢の人が訪れ、花を手向け、手を合わせていた。

◎設置者名乗る匿名ファクス「迷惑考え撤去」
地元住民が25日午前8時半ごろ、花束を雨から守ろうと現地を訪れ、献花台のテーブルと白いクロスなどがなくなっていることに気付いた。24日夜には花束約50束とお菓子やジュースが供えられていたが、花束の一部と男子生徒向けのメッセージや手紙を除き、ほとんどなくなっていた。
公園を管理する仙台市の区役所は21日、献花台の側に「不法占用に当たる」との告知板を設置。
自主撤去の要請に応じない場合、強制撤去する方針を示していた。今回、撤去したのは区役所ではないという。
近所の男性(75)は「子どもの死を悼もうと勇気を持って設置された献花台が突然、撤去された。こんなことは許されない」と話した。
一方、25日朝、「献花台設置者」を名乗る人物から河北新報社に「これ以上、放置すると区役所と遺族に迷惑になるため、撤去した。手紙類は遺族に届けてほしい」という匿名のファクスが届いた。

<仙台いじめ自殺>仙台市献花台撤去方針に文科相が苦言
いじめを苦に自殺した仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=が通っていた学校近くの公園に献花台が設置されたことについて、下村博文文部科学相は25日、「遺族の思いや、冥福を祈りたいと訪れる人たちの心情を受け止める必要がある」との認識を示した。同日朝の閣議後の記者会見で述べた。
献花台は25日朝までに誰かが撤去したが、公園を管理する仙台市は「不法占用に当たる」との告知板を置き、週明けにも強制撤去する方針を示していた。
下村氏は「行政的には不法占拠かもしれないが、人生これからという子どもが自ら命を絶ったことへの哀悼の思いをしっかり受け止める必要がある」と市の方針に苦言を呈した。

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