平成29年8月10日河北新報
<仙台中学生自殺>第三者委開催めど立たず

 仙台市青葉区の折立中2年の男子生徒(13)が教諭から体罰を受けた上、いじめを訴えて4月下旬に自殺した問題で、原因や事実関係などを調査する市教委の第三者機関「いじめ問題専門委員会」が、自殺から3カ月以上を経た現在も開催のめどが立っていないことが9日、分かった。
 大越裕光教育長が同日の市議会いじめ問題対策調査特別委員会で明らかにした。辞任した委員の補充に時間を要していることが理由という。
 市教委によると、専門委は3月以降、委員6人中5人が相次いで辞任。遺族から精神保健福祉などの分野から3人の委員を加えるよう要望があり、関係団体と現在も調整している。
 奥山恵美子市長の任期は21日までだが、大越教育長は「委員全員が確定していない状況で、21日までの開催は困難だ」と明言。開催時期の見通しも示さなかった。市議からは「専門委で検討が始まらないのは異常事態。教委の姿勢が問われる」と苦言が出た。
 体罰の実態などを調査するため、奥山市長が市長部局への新設方針を示した第三者機関についても、加藤俊憲総務局長は「人選が遅れ、21日までの開催は困難な状況」と説明した。
 特別委では、市立五城中の尾形孝徳校長、宮城教育大の久保順也准教授の2氏を参考人として招き、いじめ問題の現状や課題に関する意見を聞いた。

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

Post Navigation