平成28年12月8日 河北新報

 仙台市泉区の市立中2年の男子生徒=当時(14)=が2月に自殺した問題で、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会は7日、男子生徒が精神的な苦痛を受けた一因にいじめを位置付け、自殺との関連性を認める答申をまとめる方針を決めた。
 7日夜の専門委の非公開会合後、委員長の本図愛実宮城教育大教職大学院教授が明らかにした。
 本図氏は「男子生徒が(他の生徒から)疎外されたと精神的苦痛を感じたことは、いじめ防止対策推進法
が定義するいじめに該当する」と指摘。男子生徒が自殺の約1カ月前、会員制交流サイト(SNS)で友人に「死にたい」と漏らしていたことも明かし、いじめと自殺との関連性が裏付けられると説明した。
 一方、これまでの調査では具体的な加害生徒やいじめの状況は特定できず、答申には盛り込まない
意向を示した。結果的に自殺を防げなかった学校の対応の問題点には言及するとした。
 答申時期は、当初目標の年内から本年度内に先送りした。男子生徒の遺族が昨年12月、「クラスで
いつもたたかれる」「部活の後輩に『死ね』と言われる」などの状況を学校に相談していたとの情報を、専門委は今月1日に把握。相談の有無を学校などに確認する必要があり、時間がかかると判断した。
 情報を今月まで把握できなかった理由について、本図氏は「調査時点では、学校と遺族の双方から
明確な話がなかった」と述べた。
 専門委は4月以降、市教委が2~3月に全校生徒に実施したアンケート結果の分析や、男子生徒と
近い関係にあった生徒や接点のあった教員、遺族に聞き取り調査を実施してきた。
 男子生徒は2月3日、自宅の自室で首をつった状態で発見された。

 

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