平成29年2月14日河北新報
<矢巾中2自殺>いじめ対応 有識者委常設
岩手県矢巾町の中学2年村松亮さん=当時(13)=が2015年7月、いじめを苦に自殺した問題を踏まえ、町は13日、いじめの防止策や対処方針を定めた「町いじめ防止対策に関する条例」の最終案を公表した。
防止策の検討や重大事案の調査を担う第三者による有識者委員会を常設し、きめ細かい対応を通じていじめ根絶を目指す。
同日の町議会全員協議会で町教委が説明した。20日開会の町議会3月定例会に提出する。可決されれば4月1日施行を目指す。町教委によると、同様の条例制定は県内初の試み。
町教委の付属機関として、有識者でつくる「町いじめ問題対策委員会」を設置。構成員は6人以内とし、学識経験者や弁護士、精神科医を想定。防止策の実効性を高める調査研究を進め、町教委に助言する。
村松さんの問題を調査した第三者委による報告書の内容を踏まえ、スクールカウンセラーの活用を通じた相談体制の強化や町内6小中学校を対象としたいじめ防止に関する教員研修会の実施も盛り込んだ。
いじめが疑われる児童生徒の情報提供を町民の「責務」と明記し、「全町民でいじめ根絶」を掲げた。
児童生徒と保護者には、条例の内容をイラストを交えて解説した概要版を4月中に配布する。