平成30年6月25日付朝日新聞鹿児島版

高1自殺の再調査、県第三者委が初会合

鹿児島市の県立高校1年の田中拓海さん(当時15)が2014年8月に自殺した問題で、いじめの有無などを再調査する県の第三者委員会の初会合が24日、県庁であった。

遺族らが意見陳述し、委員は今後の具体的な調査内容について意見を交わしたという。

会は非公開。終了後、委員長に選ばれた福岡県弁護士会の甲木真哉弁護士が記者会見した。

委員会はいじめ調査の知見や調査経験がある弁護士や識者ら計5人で構成。会合では約3時間かけて、各委員が前回の調査報告書に対する感想や、今後の調査の方法や対象についてそれぞれ意見を述べたという。甲木委員長は会見で「ご遺族の気持ちに寄り添いながら、いじめの有無と自死との関連について公正中立に判断したい」と述べた。

会合では拓海さんの母親と兄弟、代理人が意見陳述。陳述後、母親は再調査について「私たちに寄り添い、きちんと話を聞いて欲しい。その上で整理して、前の調査に足りない部分を補って欲しい」と語った。

拓海さんの自殺について、県教委は遺族の申し立てを受けていじめ調査委員会を開き、昨年3月に「いじめがあったとは断定できない」と判断した。これに対して遺族は「調査は不十分」と意見書を提出、今年1月に三反園訓知事が知事部局で再調査に取り組むことを決めた。

委員はほかに、熊本県弁護士会の板井俊介弁護士、福岡教育大教育学部准教授の河内祥子氏、くまもと親と子の教職員の教育相談室代表の河崎酵二氏、鹿児島純心女子大国際人間学部准教授の福田みのり氏。

次回の会合は7月1日の予定。(加藤美帆)

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