2020年10月13日付NHK大津放送局

大津の中学生いじめ自殺から9年

大津市で、中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺してから、11日で9年になりました。
県内の学校では、いまもいじめ行為が後を絶たず、亡くなった生徒の父親は「行政や学校が手を取り、真剣に対策してほしい」と訴えています。
平成23年10月11日、大津市の中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺してから、11日で9年になりました。
県によりますと、県内の小中学校や高校などで確認されたいじめ行為は、平成30年度は6847件と過去最多になり、いまも、いじめ行為が後を絶ちません。
大津市では、7年前にいじめ対策推進室を設けるなど対策に力を入れてきましたが、今年度からは、いじめ以外の課題にも取り組みたいとしていじめ対策を見直しました。
具体的には、いじめ相談に関わる臨床心理士を4人から3人に減らし、夜間に子どもの相談に乗る専用ダイヤルを廃止しました。
一方で、無料通信アプリLINEを使ったいじめ相談は継続し、市内の公立の小中学校に配置していた、いじめ対策担当の教員は「子ども支援コーディネーター」として、いじめだけではなく、不登校や虐待などの相談にも応じています。
大津市の佐藤健司市長は「いじめは深刻な子どもの人権問題で、引き続き対策に力を注いでいきたい。一方で、不登校や児童虐待などで多くの子どもたちが苦しんでいる実態があり、解決に向けて取り組んでいきたい」とコメントしています。
亡くなった生徒の父親は「いじめは人を死に追い込む恐ろしい行為で、対策の見直しや予算の削減で危機意識が薄れるのではないかと不安がある。いじめを1つでも少なくするために、行政や学校、保護者が手を取り、真剣に対策してほしい」とコメントしています。

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