平成28年3月10日河北新報
<仙台いじめ自殺>生徒間のからかい常態化
仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺した問題で、市教委第三者委員会のいじめ問題専門委員会が月内にもまとめる答申案の概要が9日、判明した。男子生徒のクラスで生徒同士のからかいが常態化し、次第に男子生徒が精神的に追い込まれる雰囲気があった可能性を指摘している。
答申案は市教委と学校の対応の問題点も指摘。全校生徒への事実説明が自殺から1年以上が過ぎた15年10月となったことなどを挙げ、関係機関が連携して再発防止に取り組むよう求める提言を盛り込んだ。
第三者委は9日夜に市役所上杉分庁舎で非公開の会合を開き、答申案を協議。近く市教委に答申する方針を確認した。会合後、委員長の本図愛実・宮城教育大教職大学院教授は「方向性としては(当初実施した調査と)大きく変わらない。本年度内に答申を出したい」と話した。
第三者委は市教委の諮問を受け追加調査に着手し、15年11~12月に当時の在校生を対象にアンケートを実施。ことし2月に生徒と教員計18人への聞き取りを終え、調査結果の取りまとめと答申案の検討を進めていた。
追加調査は、市教委が男子生徒の校名を15年10月に公表し、全校生徒と保護者に初めて説明したことを踏まえて行った。
当初の調査はいじめに関わった生徒を対象に聞き取りし、15年6月にいじめと自殺の関連性を認める答申を出した。