平成28年4月1日 中国新聞

「機械的な指導に疑義」
府中町中3自殺第三者委が初会合

IMG_20160403_0001
会合の冒頭、黙とうする
第三者委員会の委員ら
 広島県府中町立府中緑ケ丘中3年男子生徒=当時(15)=昨年12月、誤った万引記録に基づく進路指導後に自殺した問題で、大学教授や弁護士ら5人でつくる第三者委員会が31日、同町で初会合を開いた。
冒頭、委員と事務局の町教委職員が黙とう。高杉良知教育長は「情報管理や進路指導など多くの課題を認識している。多角的な視点で調査し、提言を願う」とあいさつした。
非公開で約2時間あった会合では、委員長に広島大大学院の古賀一博教授(教育行政学)を互選。委員は、学校側がまとめた調査報告書や全校生徒のアンケート、亡くなった生徒の両親の聞き取り記録などをチェックし、疑問点をただした
り、追加資料を求めたりしたという。
第三者委は、進路指導の経緯や自殺に至った原因と学校の対応との関係などを検証し、再発防止策などもまとめる。今後、両親から直接聞き取りするなど月1回以上のベースで調査、審議する。次回は4月後半にも開く。
会合後、古賀委員長は「亡くなった生徒と両親に寄り添うスタンスで、スピード感を持って報告をまとめたい。委員からは早速、非行を理由とした機械的な進路指導や学校の組織態勢に対する疑義が出た」と話した。
両親は、代理人弁護士を通じ「なぜ未来ある受験間近の子が自ら死を選択せざるを得なかったのか、教育者として、大人としての見地からのみならず、15歳の目線からの検討を試みていただきたい」とのコメントを出した。
(田中伸武、浜村満大)
シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

Post Navigation