平成28年3月16中国新聞

第三者委の選任停滞
府中町中3自殺依頼文送らず

広島県府中町立府中緑ケ丘中3年男子生徒=当時(15)=が昨年12月、誤った万引記録に基づく進路指導後に自殺した問題で、町教委が設ける第三者委員会の委員の選任手続きが滞っていたことが15日、分かった。委員―人を出してもらうよう想定していた広島弁護士会に町教委が依頼文書を送っていなかったため。
町教委は本年度内をめどに、早期に第三者委を設置する意向を示してきた。ただ「依頼した団体から推薦された委員がまだそろっていない」とし、設置時期は不明と説明していた。
町教委などによると、問題を正式公表する前の3、4日、弁護士会など4団体に電話で委員の推薦を依頼。8日に再び電話した際、弁護士会事務局から「文書で依頼を」と言われたが、送っていなかった。
文部科学省から問い合わせを受け、町教委が委員の選定状況を担当者に確認した14日、書類を送付していないことが判明。すぐに郵送し、弁護士会に届いたのは15日午前。それまで弁護士会役員は町教委の依頼を把握していなかった。
町教委は「担当者が、依頼は電話で受諾されたと思い込み、文書は後日送ればいいと思っていた。ミスで手続きが遅れ、申し訳ない」と説明。弁護士会は「速やかに人選し回答する」としている。
(府中町進路指導問題取材班)

人選を支援へ 文科省チ-ム
広島県府中町の中学3年の男子生徒が進路指導後に自殺した問題で、文部科学省は15日、原因究明や再発防止策を考える特別チームの第2回会合を開いた。町教委が設置する第三者委員会の早期発足に向け、人選面など必要な支援を進める方針を確認した。
義家弘介副大臣たちメンバー7人が出席。第三者委員会が問題を検証するには関係者の協力が不可欠として、遺族や保護者の意向も踏まえて委員の人選を助言する方向性を示した。18日に予定する2回目の保護者説明会や25日の終業式に向けては、学校や町教委が丁寧な対応を進めるためのフォローの仕方などを議論した。
非公開の会合後、義家氏は「第三者安員会は、速やかに設置する方向で協力しようと議論したが、遺族の意向と全く違うものであってはいけない」と強調。次回の保護責罰明会については「((覆の進路指導などの)しっかりした方針を出さなければ、保護者が納得しない」と指摘した。(府中町進路指導問題取材班)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

Post Navigation