指導死”生徒の両親が提訴

3年前、中学2年生だった長男が自殺したのは、複数の教師から繰り返し同じ指導を受け追い詰められたことによる「指導死」で、学校側が適切な配慮を欠いたことが原因だとして、11日、生徒の両親が東広島市などに賠償を求める訴えを、裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、3年前に自殺した東広島市の市立中学校の当時2年生の男子生徒の両親です。
訴えによりますと、生徒が美術の授業で使う野菜を廊下に置いて遊んだことについて、複数の教師から繰り返し同じ指導を受けたり野球部の練習に参加直後に「部活動をする資格がない、帰れ」とか、「もう来なくていい」と言われたりした結果、孤立感や無力感を深め、下校直後に自殺したということです。
両親は「納得のいかない生徒指導により追い詰められた『指導死』で、学校側が適切な配慮を欠いていた」などとして、東広島市などにおよそ1億1700万円の賠償を求める訴えを11日、広島地方裁判所に起こしました。
東広島市教育委員会が設置した調査委員会は、おととし自殺と一連の指導との関連について認める一方、自殺の原因の断定は困難だとする報告書をまとめ、両親は調査が不十分だと訴えていました。
東広島市教育委員会は「これまでの対応で理解がいただけず残念だ。
訴状の内容を確認して対応したい」とコメントしています。
訴えを起こしたあと生徒の両親と弁護士が会見し、父親は「学校や教員が事実を隠し、自分が関わったことすら認めない状況なので、裁判を通して事実や教員らの責任を明らかにして、再発防止につなげていきたい」と話しました。
また、母親は「自殺当日、息子と最後に過ごした教員たちに裁判の場でいきさつをしっかり話してほしい」と話しました。
(6月11日 NHK 広島 お好みワイド)

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両親「裁判で真実を」 中2自殺 東広島市を提訴

両親は裁判で息子が自殺した理由を明らかにしたいとしています。3年前、東広島市で男子中学生が自殺した問題で男子生徒の両親が、きょう学校側に安全義務違反があったなどとして東広島市に対し損害賠償を求める訴えを起こしました。2012年10月、東広島市の中学校で当時2年生だった男子生徒がほかの生徒の美術教材を廊下に置き、ふざけていたことを教師4人から繰り返し指導されました。男子生徒は、その後、帰宅途中に学校近くの公園で自殺したものです。東広島市教育委員会が設置した調査委員会はおととし9月、「指導と自殺には因果関係がある」としながらも「指導が自殺の全ての要因になったとは断定できない」と結論付けていました。これに対し男子生徒の両親は「教師が入れ替わり何度も指導した上、憔悴した男子生徒を外がすでに暗くなっていたにもかかわらず1人で帰宅させるなど配慮を欠いていた」と主張。学校側に安全義務違反があったなどどして東広島市におよそ1億300万円の損害賠償を求めています。訴えについて東広島市は「訴状の内容を確認してから対応する」としています。
(6月11日 TSSみんなのテレビ)
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中2自殺、両親が市提訴=「教員の不適切指導原因」―広島地裁中

広島県東広島市で2012年、市立中学2年の男子生徒=当時(14)=が自殺したのは教員らの不適切な指導が原因だとして、両親が11日、市などに計約1億1700万円の損害賠償などを求める訴訟を広島地裁に起こした。
訴状によると、生徒は12年10月29日、休み時間の出来事について複数の教員から指導を受け、野球部の活動に参加できずに下校。帰宅途中に近くの公園で自殺した。生徒はそれまでも、反省文などの指導をたびたび受けていた。
原告側は、教員らが1年前から精神的に追い詰める指導を続け、自殺当日も精神状態が悪化していると認識しながら1人で下校させるなど、配慮を欠いていたと主張している。
生徒の自殺をめぐっては、市教育委員会の第三者調査委員会が、「自殺と一連の指導に関連性があることは明らか」とする報告書をまとめている。
提訴後に記者会見した父親(45)は「当日、様子がおかしいと連絡をくれれば救えた。裁判で事実を明らかにしてほしい」と話した。
東広島市教委は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
(時事通信 6月11日(木)18時7分配信)

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