2022年12月9日毎日新聞

「いじめの詳細、学校から知らされず」 遺族側憤り 神戸中3自殺

 

第三者委員会の調査報告書を受けて記者会見する遺族代理人の野口善国弁護士(左)ら=神戸市中央区で2022129日午後5時、中田敦子撮影

「『なぜ』『なぜ』という疑問を打ち消すことができない」――。神戸市立中学3年の女子生徒(当時14歳)が自殺した問題で、第三者委員会は生徒に対する複数のいじめを認定し、学校側の情報共有不足など対応の不備を指摘した。9日記者会見した遺族側の弁護士は「(いじめは)予想もしていなかった悲惨な内容だ。なぜ学校がもっと早く教えてくれなかったのか」と憤った。

遺族代理人の野口善国弁護士(兵庫県弁護士会)によると、女子生徒の両親は、小学5年から続いていたいじめの詳細を学校側から知らされていなかった。自傷行為について「いじめが原因でない」との説明を受けた時も「そうかな」と疑問に思っていたという。

両親はいじめに気付いてあげられなかったことについて自責の念を抱いているという。

野口弁護士は「ショックを受け、コメントを発表できる状態ではない」とおもんぱかった。

その上で学校の対応について「最初の集団いじめが見つかった時に断固たる指導をして解消すべきなのに、中学校で加害生徒を同じクラスにした。こんなことがあるのか」と非難した。

市教育委員会もこの日記者会見を開き、河野剛至(たけし)・児童生徒担当部長が「SOSを周囲の大人が受け止められなかった。重く受け止めている」と話した。両親にいじめの深刻さが伝わっていなかった点については「十分に伝えきれていなかった」と釈明した。【山本真也、中田敦子】

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