2022年12月27日付朝日新聞デジタル

「一生許せない」 叱責され飛び降りた元生徒、教諭の免職を申し入れ

 男性教諭から長時間叱責(しっせき)され、校舎から飛び降りて大けがをしたとして、静岡県中部の県立高校の元女子生徒(22)が県などに賠償を求めた訴訟で、県に220万円の支払いを命じた判決が確定したことを受け、元女子生徒と代理人の小川秀世弁護士は26日、教諭の懲戒免職処分を求める文書を県教育委員会に出した。記者会見した元生徒は「私と同じように苦しむ人が死を決断するまで追い込まれないように、考えるきっかけになって欲しい」と話した。

 5月の一審・静岡地裁の判決によると、男性教諭は2016年10月、研修に参加できなくなったと申し出た元生徒を翌日未明まで電話などで叱責し、学校でも直接叱り、元生徒はこの直後に校舎3階から飛び降りて腕を骨折するなどした。静岡地裁は「教育的指導の範囲を逸脱している」として県に賠償を命じた。

 申入書では、教諭の長時間の叱責は「生徒の生命にもかかわるようなきわめて危険性の高い行為」で、「他の教員や生徒も見えないところで行われた、きわめて悪質なもの」と指摘した。

 元生徒は「『学校をやめろ。選択肢はないからな』と脅された恐怖は忘れられない。私は楽しみにしていた修学旅行などに参加できなかったのに、今でも変わらない生活を送り続けている教諭を一生許すことはできない」と涙ぐみながら語った。

 県教委の担当者は取材に対し、「申し入れの内容を精査して、今後の対応を検討したい」と話している。(小山裕一)

シェアShare on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterShare on LinkedIn

Post Navigation