平成28年3月2日付朝日新聞青森版

いじめ受けた娘の心、想像して 高校卒業式に遺族

浜松中和解2

 女子生徒の卒業証書と写真を持って正門前に立つ両親=八戸市大久保の八戸北高校前(遺影にモザイクをかけています)

2014年7月に八戸北高校2年の女子生徒(当時17)が八戸沖で遺体で見つかり、両親がいじめによる自殺の可能性が高いと訴えている問題で、両親が1日、同高の卒業式に出席し、女子生徒の名前が書かれた卒業証書を受け取った。父親は式後、「(娘は)何事もなければ一緒に卒業し、今日を幸せな気持ちで過ごしていたかと思うと残念でならない」と話した。

卒業証書は、通し番号のついていない仮のもの。両親によると、式後、校長室で竹浪二三正校長から父親が受け取った。式では卒業生の名が読み上げられたが、女子生徒の名は呼ばれなかったという。

母親は「娘は本当は生きていたかった。社会に出たり、親になったりするであろう同級生には、娘の死を忘れてしまうのではなく、いじめを受けていた娘がどんな気持ちだったかこれからも想像してみてほしい」と話した。

女子生徒がどのように海に入ったのかは今でもはっきり分かっていない。母親は今も週に1、2回、八戸市の海岸を訪れているという。(榎本瑞希)

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