平成29年11月3日中国新聞
学校側「再調査しない」
三原組み体操問題生徒遺族に回答

 三原市館町の広島大付属三原中3年の男子生徒=当時(14)=が昨年6月、運動会の組み体操に参加した2日後に死亡した問題で、組み体操と死亡の因果関係の再調査を求める遺族に対
し、学校側は再調査の意向はないと伝えていたことが2日、分かった。取材に対し同校は、運動会後に調査をしたと説明している。
 同市の遺族は、生徒が参加した組み体操「移動ピラミッド」を解体する際、崩落する事故があったと主張。死亡から1年たった6月、「事実が明らかになっ
ていない」として質問状を同校に提出した。当日の指導教員の配置など27項目について見解を求め、再調査を求めた。
 同校の6月15日付の回答によると、「生徒の死亡を引き起こすような行動、状況はなかったと考えている」と説明。「今後、再調査は予定していない」とした。同校は生徒の死亡後、
組み体操に参加した生徒に聞き取りを実施。「崩れていなかった」との回答を得たとしている。
 取材に対し同校は「聞き取りをした生徒は既に卒業している。聞いたことは間違いないので再調査の必要性はない」と説明した。
 遺族は、学校が十分な安全対策を講じなかったとして今月1日、学校を運営する広島大(東広島市)に約9千万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁尾道支部に起こした。同校は「内容については訴状が手元にな
いので回答できない」としている。(中島大)

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