平成28年6月6日 神戸新聞

神戸で学校事故・事件語る集会 国の対応指針議論

 kataru

文科省がまとめた指針について話す京都精華大の住友剛教授=5日午前、神戸市中央区山本通4

  学校での事故や体罰などで子どもを亡くした遺族らでつくる「全国学校事故・事件を語る会」が5日、神戸市中央区ののじぎく会館で集会を開いた。遺族や支援者ら約90人が参加。3月に文部科学省が発表した「学校事故対応に関する指針」をテーマに、専門家や当事者らが意見を交わした。

 指針は事故発生後、学校側が事実関係を整理する調査をどのように行い、情報公開すべきか-などを示している。

 冒頭、有識者会議委員として指針策定に携わった京都精華大の住友剛教授が基調提案。「学校現場でどれだけ読まれているか疑問。従来の対応から変わろうとする人を、学校の中に育てていかねばならない」と話し、指針を学ぶ研修の必要性を指摘した。

 その後、兵庫県高砂市立中学2年だった1998年に部活顧問から暴行を受け、今も寝たきり状態が続く男性(31)の母親(58)=加古川市=らが発言。母親は「行政は縦割り。個々の事案に沿った柔軟な対応が求められる」とし、指針に盛り込まれた保護者と学校双方の話を聞く「コーディネーター」の役割に「大きく期待する」と話した。

 また、学校の事故などを検証する第三者委員会のあり方を巡り、さまざまな視点から意見が出された。

(上田勇紀)

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平成28年6月6日 NHK神戸放送局

 学校事故指針 遺族などが意見

 学校での事故や体罰などで子どもを亡くした遺族などが、5日、神戸市でシンポジウムを開き、文部科学省がことし学校での事故の対応指針を定めたことについて、実効性のある適切な運用を求めました。
「全国学校事故・事件を語る会」が神戸市中央区で開いたシンポジウムには80人あまりが出席し、ことし
初めて、文部科学省が学校での事故の対応指針を定めたことが議題になりました。
まず、指針の策定に関わった大学教授が▼重大な事案は学校側が原則3日以内に教職員などに事情を
聴き取った上で、専門家も調査に入ることや、▼必要に応じて自治体の担当者などがコーディネーターとして派遣されるようになったことを説明しました。
この指針について子どもを失った遺族など3人が意見を述べ、「自殺やいじめに関する法律ができても、
まともな調査は行われてこなかったと感じる。指針を適切に運用するよう声をあげていくべきだ」とか、「コーディネーターを活用して柔軟な被害者支援を実現して欲しい」と訴えました。
主催者の1人で、部活動中の熱中症で中学生の息子を亡くした宮脇勝哉さんは、「実効性の面などで
指針には不十分な点もある。被害者の意見を国に伝え、よりよいものにしていきたい」と話していました。

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