平成30年7月16日18:35神戸新聞NEXT

神戸・中3自殺 市設置の再調査委が発足、初会合

垂水中3遺族意見陳述

再調査委員会の委員長に就任し、あいさつする吉田圭吾神戸大大学院教授(中央)=16日午前、神戸市役所

2016年10月、神戸市垂水区で市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らの聞き取りメモが隠蔽された問題で、市が設置した再調査委員会の初会合が16日、同市役所であった。黙とうの後、意見陳述した女子生徒の母親は「娘に対してどのようないじめが行われたのか、なぜ娘が命を絶つことになったのかを明らかにしてほしい」と訴えた。

いじめ防止対策推進法に基づく再調査で、市教育委員会の設置した第三者委員会は昨年8月、容姿中傷発言などをいじめと認定する調査報告書をまとめたが、今年4月、遺族は自殺との関連など調査が不十分として久元喜造市長に再調査を申し入れた。その後、第三者委が「破棄」と扱っていた聞き取りメモの隠蔽が発覚。久元市長が再調査を決め、弁護士、精神科医ら委員5人を選任した。

会合では、久元市長が「いじめへの学校の対応や、事案発生後の学校・教育委員会の対応の問題点を明らかにし、具体的な再発防止策を提言してほしい」とあいさつ。委員長には吉田圭吾・神戸大大学院教授(臨床心理学)が選ばれた。

生徒の母親は意見陳述で悪口や仲間外れなど第三者委が認定したいじめについて、関連性や広がりを生徒間の関係や学校の対応など背景を含めて調べるよう求めた。

吉田委員長は会見で「遺族の気持ちに寄り添いつつ、公平中立な調査を進めたい」と述べた。今後、弁護士ら数人を補助委員に任命し、関係者への聞き取り調査などを行い、年内にも報告書をまとめる。(井上 駿、広畑千春)

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