平成30年6月11日付朝日新聞山口版

第三者委が初会合 大島商船の「いじめ自殺」問題

 大島商船調査委

会合終了後、報道陣の取材に応じる平谷優子委員長(中央)ら第三者委のメンバー=10日午後6時0分、大島商船高専

大島商船高専(周防大島町)で2016年、1年生の男子学生(当時15)が自殺した問題で、いじめの有無などを調べる第三者委員会の初会合が10日、同校であった。

委員長に就いた平谷優子弁護士は「ご遺族に考え方を説明しながら、調査を進めていきたい」と話した。第三者委は計3人で、ほかに委員を務めるのは、内田喜久弁護士、西山久子・福岡教育大大学院教授。

男子学生の自殺について、同校は同級生らに聞き取り調査などをした結果、「いじめはなく、自殺の原因は不明」と結論づけて、昨年3月に遺族に報告。しかし、遺族は学校側の調査が不十分だったとして、第三者委の設置を求めていた。

初会合では、これまでの学校側の調査結果を確認し、今後の調査方法を検討した。今後はいじめの有無や自殺の背景を調べるほか、学校の対応についても評価や提言をするという。

男子学生の自殺から2年。平谷委員長は会合後、「どこまで事実に迫れるか、悩みもある。時間をかけてでも、きちんと調査すべきものはしないといけない」と話した。同校には、別の男子学生に対するいじめを調査する第三者委も設置されている。どう連携するのかについて、「時期や生活環境が似ていることから、関わりを持つことはある」

と語った。(藤牧幸一)

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